入居資格判定のための資産把握は公的扶助の手続きに類似し、公営住宅制度の変質に結びつく。家賃支出はフロー収入からの支出という性質をもつ。ストック資産の水準にかかわらず、フロー収入による家賃負担力の低い階層に向けて公営住宅が配分されてきた。ストック資産の水準が入居資格を左右するとすれば、制度対象に関する考え方は大きく変化する。公営住宅の供給施策は低所得者の住まいの安定化を目的とし、期限付き入居の仕組みは制度目的に適合しない。
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期限付き入居制度の設定を先導したのは東京都であった。東京都は公営住宅に定期借家制度を適用し、若年家族世帯などの期限付き入居を実施してきた。政府は、定期借家制度は公営住宅に馴染まないという見解をもち、東京都の試みを牽制していた。しかし、住宅政策の再編が進展するにともない、政府の見解は期限付き入居制度の導入を認め、促進する方向に変化した。