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フランスに行った

以前、フランスに行ったとき、「フランス語のグループ」と「その他の言語グループ」との二通りしかないツアーがありました。こちらはフランス語はからきしダメですから、「その他の言語グループ」に加わりました。だから、そのグループには、何人もの日本人がいました。そうやって、一行はバスで出かけたわけですが、途中で昼食をとったとき、同じテーブルには日本人やレバノン人の一家や中国系アメリカ大などが混在していました。レバノン大の一家はとても英語が達者なので、どこで英語をおぼえたのかと訊きましたところ、「学校でおぼえた」という答えだったので、びっくりしたりしました。それはともかく、彼らとわたしが英語でしゃべっていると、ほかの日本の方々は黙って聞いておられます。どうやら内容をおわかりでないらしいので、わたしは申しわけなくなってしまい、いま、こんなことが話題になっていますと、そのつど説明しました。すると、そのなかにいた三〇代とおぼしき日本人の女性が、「レバノンの人に尋ねたいことがあるから、通訳してほしい」と言われます。そこで、今度はレバノン人の一家に、わたしがその内容を話しました。こうしてコミュニケーションが成り立ったわけですが、その日本人女性は高校の先生で、一年間親御さんの介護と学校勤めとお子さんの育児でがんばったごほうびに、毎年のようにお子さんをご主人にあずけて一人で海外旅行をしておいでだということでした。ご主人の理解もさることながら、なかなか前向きで、しかもインテリの女性とお見受けしました。こういう方でも、わたしごときが通訳できるような英語ですら、なかなか自分からは口にできないのです。相手の話す英語が理解でき、自分の考えを口にできたらどんなにいいだろう、と思っておいでになるのではないか、それができないことを残念に思っておいでなのではないか、とお察ししたわけです。

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