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結婚はどんなに考えても想像もつかない

村上春樹さんの小説『ねじまき鳥クロニクル』の中で、主人公の岡田亨が結婚後、月の満ち欠けを気にするようになったという描写がある。妻のクミコは満月が近くなると、精神的に不安定になるからだ。といっても、クミコが狼女になるというわけではない。ただ、彼女の生理は月の満ち欠けと見事に対応していて、生理前になると彼女はイライラし始めるのだ。妻との無用な軋棒を避けたいと思う亨は、月の周期を気にせざるを得なくなったというのである。私はこの部分がとても好きだ。結婚すると、結婚前には、存在さえ知らなかったことを意識するようになる。私の場合は、自分が実は動物であったと思い知らされた。親と一緒に暮らしていたときは封印されていた動物としての本能が、結婚によって、解き放たれたかのようだった。そんなもの知らなくていいと、言われればそれまでだ。どうでもいいようなことを知るためにわざわざ結婚しようとは思わないという人もいるだろう。月の満ち欠けを知らなくても、自分を動物だと意識しなくても、人間は生きていけるのだから。それでも、私は、結婚は一度してみて損はないと確信している。たとえ失敗しても、ひどく傷つけ合う結果になっても、大変な毎日に後悔しても、やはりやってみなきやあわかんないことってある。それが結婚だ。

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