ハブル時代や大量消費・大量廃棄の時代には「少しでも良ければ自分だけのことを考えて買い換える」という道徳でした。しかし、「環境が大切」という道徳観念からは、今のテレビで十分見ることができるのに、無理して買い換えることはできません。最近ではさらに事態は複雑で、「環境を売り物にして、実際には環境に悪い商売をする」という例も見られます。例えば、「省電力」という宣伝のもとに売られる商品もそれに類するものがあります。販売店では「これは従来のものより2割も電気をくいません。買い換えた方が環境によいですよ」と売り込みをはかります。こちらの方も内心は新しいものが欲しいので、うっかりとセールスに乗って買ってしまいます。本当に省電力商品は環境に良いのでしょうか?どの程度省電力なら買い換えてもよいのでしょうか?製品の値段や省電力の程度によりますが、多くは買い換えることで資源や環境を浪費します。一般的には買った分を補おうとすると数十年から100年以上使い続けなければもとがとれません。省電力の家電製品や燃費の低い自動車、それ自体は環境に良いのですが、「新しいものを買うことによる環境への負荷」を「省電力」や「燃費の向上」で補うことはとても難しいのです。もし、家庭電化製品や自動車の設計寿命が今の2倍になったとします。または私たち消費者が「性能」より「長く使える商品」を買うようになれば、メーカーは寿命合戦をするでしょう。2倍使ったとすると、大型廃棄物の量は現在の8分の1になり、環境問題の一つは一気に解決します。悪いのは家庭電化製品のメーカーだ、と考える人もいますが、家電メーカー特に日本でリーダーシップをとっている家電メーカーは決してそうではありません。むしろ環境を守るということに対して積極的で、長い寿命の製品を出したり、部品の交換ができる製品を研究しています。むしろ、考え方としてはメーカーも社会的責任をもって生産量の削減へと進み、消費者もそれに応じるという構図ができることです。