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ファッションショーの始まりはいつ?

パリのオートクチュール協会に所属するデザイナーが開催する、年2回のシーズンコレクションのほかに、ミラノでもニューヨークでも東京でも、コレクションがおこなわれている。デザイナー個人のもののほかにも、既製服メー力ーの新ライン発表とか、新素材開発とかいうたびにお目にかかるのがファッションショー。いつのころから、こうしてお披露目する形式がひろまったのだろうか。19世紀半ば、フランスは第2帝政時代。貴婦人たちが華やかな衣装を競う絢爛たる生活がくりひろげられていた。それぞれが、お気に入りの仕立て師につくらせたドレスを披露し、それを誰かが真似したりするところから流行が生まれたりしていたころのこと。イギリスのチャールズ・ウォースという青年が、ロンドンでの修業を終えて、ファッションを学びにフランスへやってきた。当時からフランスは本場だったわけだ。彼は織物商に勤め、やがて、そこの製作部門の責任者となる。この織物商のアトリエから発表されるドレスが評判になり、チャールズ青年は、フランス名シャルル・ウォルトとして、オペラ座近くに自分の店を開いた。1858年のことである。この店で彼は、新しい試みに挑戦する。当時、いまのクチュリエにあたる自前の店をもつ仕立て師は、注文には応じるけれど店頭にドレスを飾ったりすることはなかったのに、シャルルはつくっておいたいくつかの実物を見せ、それと同じものを客の体形にあわせて仕立てるというシステムをとった。さらに、この客に見せるドレスを、本物の人間に着せて店内に立たせたのだ。それも、ただ歩かせるだけでなく、さまざまなポーズをとらせた。つまり、これがファッションモデルの誕生であり、ファッションショーのはじまりともいえる。このアイデアは、ただ静止したときのシルエットだけでなく、動いたときの変化もあらかじめ客に示すので、客と店との信頼関係を築く役に立ったほか、同時におしゃべりやお茶を楽しむといった、サロン的雰囲気づくりにもなったため、シャルルの店は繁盛した。